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理念及び業務方針

事務所理念(OFFICE PHILOSOPHY)

人と人を誠実な心で結び、新たな価値と豊かな未来を提供します。


プライバシーポリシー(個人情報保護方針)

個人情報の取得、利用及び提供する場合には、当事務所の個人情報保護マネジメントシステムを遵守して個人情報を適切に取扱うと共に、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えた利用を行わないための対策を講じ、実施します。

 当事務所は、以下の方針に基づき、その適正な保護に努めます。

1.当事務所は、個人情報を取得する場合には、本人(お客様・取引先・従業員等)に対して、その利用目的を明確にし、同意を得た範囲内において利用および提供を行います。また、特定された利用目的を超えた個人情報の取り扱いを行わず、そのための措置を講じます。

2.当事務所は、個人の権利を尊重し、自己の個人情報に対し開示等を要求された場合、および苦情・相談には適切に対応します。

3.当事務所は、保有する個人情報への不正アクセス、漏洩、改ざん、破壊および紛失等のリスクを深く認識し、適切なセキュリティー対策を講じ、必要な場合には速やかに是正処置を行います。

4.当事務所は、個人情報保護に関する法令、国が定める指針、その他の法規範を遵守します。

5.当事務所は、個人情報保護に関する規程を定め、職員に周知徹底すると同時に効果的に実施されるよう個人情報保護マネジメントシステムの継続的改善を行ってまいります。
以上
制定日:2013年07月24日
改定日:2015年05月15日

司法書士・行政書士和田正俊事務所
代  表  和 田 正 俊

■本件に関するお問い合わせ先
司法書士・行政書士和田正俊事務所 代表:和田正俊

最良執行方針

この最良執行方針は、不動産登記法、商業登記法その他の登記に関する法律の規定に従い、お客様にとって最良の条件で登記申請するための当事務所の方針及び方法等を定めたものです。
当事務所は、お客様から下記に定める登記申請の依頼を受任した際は、下記の方法等に従い、お客様にとって最良の条件で登記申請することに努めます。


1. 対象となる登記申請
(1)日本国内の法務局又は地方法務局(以下「法務局」といいます。)に登録されている不動産で、不動産登記法に規定される「不動産登記」
(2)法務局に登録されている会社で、商業登記法に規定される「商業登記」
(3)その他司法書士の業務として定められる「その他の登記」


2. 最良の条件で登記申請するための方法
(1)不動産登記
①登記の申請方法
 お客様からご依頼いただいた登記申請は、お客様から登記申請時期の指定がない限り、書類が調い、当事者の本人性の確認、実体上の事実、登記申請意思等が確認でき次第、当事務所が妥当と判断する方法により速やかに管轄の法務局に申請します。
 法務局の受付時間外に受任した登記申請についても同様に、法務局における受付が再開された後に管轄の法務局に申請することとします。
 これにより、お客様の登記申請は管轄の法務局に受付され、登記官による審査にかかることとなります。
 ただし、お客様が上記以外の方法(当事務所が応じることのできる方法に限ります。)による登記申請を希望される場合(オンライン方式、特例方式、QR方式、事前申請方式又は紙方式等)には、お客様と合意した方法及び条件によりお客様の登記を申請することとします。

②登記を申請する順番
a.登記を申請する内容が1件である場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.登記を申請する内容が複数に存在する場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した順番から申請します。ただし、お客様が特定の登記を先行又は同時にすることを希望される場合は、手続上可能な範囲でそれに従います。

(一)後件の登記申請のために先んじて申請する必要がある順番
    (住所や氏名の変更登記、不動産取引時の抵当権抹消登記など)
(二)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる順番
    (根抵当権追加設定の登記に先んじる根抵当権増額変更の登記など)
(三)その他経験上先に申請するべきと考える順番

③登記を申請する法務局
a.対象物件を管轄している法務局が1箇所である場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.対象物件を管轄している法務局が複数に存在する場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した法務局から申請します。ただし、お客様が特定の法務局への申請を先行することを希望される場合は、それに従います。

(一)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる法務局
    (管轄をまたぐ共同担保設定で物件の多い管轄法務局への申請など)
(二)不動産の評価額が高い物件を管轄する法務局
(三)登記申請が早く完了すると予想される法務局
(四)その他経験上先に申請するべきと考える法務局

(2)商業登記
①登記の申請方法
 お客様からご依頼いただいた登記申請は、お客様から登記申請時期の指定がない限り、書類が調い、当事者の本人性の確認、実体上の事実、登記申請意思等が確認でき次第、当事務所が妥当と判断する方法により速やかに管轄の法務局に申請します。
 法務局の受付時間外に受任した登記申請についても同様に、法務局における受付が再開された後に管轄の法務局に申請することとします。
 これにより、お客様の登記申請は管轄の法務局に受付され、登記官による審査にかかることとなります。
 ただし、お客様が上記以外の方法(当事務所が応じることのできる方法に限ります。)による登記申請を希望される場合(オンライン方式、特例方式、QR方式、事前申請方式又は紙方式等)には、お客様と合意した方法及び条件によりお客様の登記を申請することとします。

②登記を申請する順番
a.登記申請する内容が1件又は一括で申請できる場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.登記申請する内容が複数に存在する場合であって、一括で申請できない場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した順番から申請します。ただし、お客様が特定の登記を先行又は同時にすることを希望される場合は、手続上可能な範囲でそれに従います。

(一)後件の登記申請のために先んじて申請する必要がある順番
    (本店所在地と支店所在地で行う変更登記など)
(二)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる順番
(三)その他経験上先に申請するべきと考える順番

③登記を申請する法務局
a.対象となる会社を管轄している法務局が1箇所である場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.対象となる会社を管轄している法務局が複数に存在する場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した管轄の法務局から申請します。ただし、お客様が特定の法務局への申請を先行することを希望される場合は、それに従います。

(一)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる法務局
(二)登記申請が早く完了すると予想される法務局
(三)その他経験上先に申請するべきと考える法務局

(3)その他の登記
①登記の申請方法
 お客様からご依頼いただいた登記申請は、お客様から登記申請時期の指定がない限り、書類が調い、当事者の本人性の確認、実体上の事実、登記申請意思等が確認でき次第、当事務所が妥当と判断する方法により速やかに管轄の法務局に申請します。
 法務局の受付時間外に受任した登記申請についても同様に、法務局における受付が再開された後に管轄の法務局に申請することとします。
 これにより、お客様の登記申請は管轄の法務局に受付され、登記官による審査にかかることとなります。
 ただし、お客様が上記以外の方法(当事務所が応じることのできる方法に限ります。)による登記申請を希望される場合(オンライン方式、特例方式、QR方式、事前申請方式又は紙方式等)には、お客様と合意した方法及び条件によりお客様の登記を申請することとします。

②登記を申請する順番
a.登記申請する内容が1件又は一括で申請できる場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.登記申請する内容が複数に存在する場合であって、一括で申請できない場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した順番から申請します。ただし、お客様が特定の登記を先行又は同時にすることを希望される場合は、手続上可能な範囲でそれに従います。

(一)後件の登記申請のために先んじて申請する必要がある順番
(二)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる順番
(三)その他経験上先に申請するべきと考える順番

③登記を申請する法務局
a.対象となる登記を管轄している法務局が1箇所である場合は、管轄の法務局へ申請します。
b.対象となる登記を管轄している法務局が複数に存在する場合は、以下の条件を加味した上で当事務所が決定した管轄の法務局から申請します。ただし、お客様が特定の法務局への申請を先行することを希望される場合は、それに従います。

(一)先んじて登記申請をすることにより後件の申請の登録免許税が低額となる法務局
(二)登記申請が早く完了すると予想される法務局
(三)その他経験上先に申請するべきと考える法務局


3. 2.に掲げる方法を選択する理由
(1)不動産登記
 不動産登記については、権利関係の公示性、第三者に対する対抗要件、優先関係の確保の観点から、お客様の依頼を遂行するために②及び③による速やかな申請が最も適切であると考えるからです。
 即ち、不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができないとされることから、速やかで正確な登記の申請が、お客様にとって最も有利かつ合理的であると判断されるからです。

 しかしながら、例えばその不動産登記のお客様にとっての価値や思い入れ等との対比において、他の不動産よりも優先して確保したい等、お客様の個別の事情に係る固有のニーズを勘案すると、 慣習によらない他の方法による執行の方が合理的であると考えられる場合などがあります。そのような場合には、お客様との合意の下に他の方法、条件による執行を選択することもあります。

(2)商業登記
 商業登記については、登記すべき事項は実体が生じているものであっても登記前には善意の第三者に対抗できないという消極的公示力及び登記すべき事項について登記がされた後であれば善意の第三者に対しても対抗しうるとする積極的な公示力を有するという観点から、お客様及び利害関係人の権利保護のために②及び③による速やかな申請が最も適切であると考えるからです。
 即ち、商業登記法(昭和38年法律第125号)の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができないとされることから、速やかで正確な登記の申請が、お客様及び利害関係人にとって最も有利かつ合理的であると判断されるからです。

 しかしながら、例えばその商業登記のお客様にとっての価値や思い入れ等との対比において、他の商業登記よりも優先して公示したい等、お客様の個別の事情に係る固有のニーズを勘案すると、 慣習によらない他の方法による執行の方が合理的であると考えられる場合などがあります。そのような場合には、お客様との合意の下に他の方法、条件による執行を選択することもあります。

(3)その他の登記
 その他の登記については、それぞれの法律の定めるところにより速やかに登記を申請することが、登記が有する公示力、公信力、第三者対抗要件の確保等に資するという観点から、お客様及び利害関係人の権利保護のために②及び③による速やかな申請が最も適切であると考えるからです。
 即ち、速やかで正確な登記の申請が、お客様及び利害関係人にとって最も有利かつ合理的であると判断されるからです。

 しかしながら、例えばそのお客様にとっての価値や思い入れ等との対比において、他の登記よりも優先して公示したい等、お客様の個別の事情に係る固有のニーズを勘案すると、 慣習によらない他の方法による執行の方が合理的であると考えられる場合などがあります。そのような場合には、お客様との合意の下に他の方法、条件による執行を選択することもあります。


4. その他
(1)次に掲げる取引については、2.に掲げる方法によらず、各々次に掲げる方法をもって、執行します。
①お客様から申請方法に関するご指示(申請先法務局、申請日時・時間帯、申請の順序、一括申請等)が付される登記申請
・お客様と当事務所との間で合意した申請方法(指定外の部分は最良執行方針に準ずる。)
②当事務所におけるその他の契約等に基づく取引
・契約等においてお客様あるいはお客様が指定する第三者から委任された範囲内において当事務所が選定する方法
③当事務所におけるその他の約款等において申請方法を特定している取引
・約款等で特定された当該申請方法
(2)当事務所が最良執行を行う法務局は、申請時の管轄法務局となります。従いまして、受注時と申請時の管轄法務局が異なる場合があることを  ご了承ください。
(3)システム障害等により、やむを得ず、最良申請方針に基づいて選択する方法とは異なる方法により申請する場合があります。その場合でも、その時点で最良の条件で登記申請するよう努めます。


 最良執行義務は、費用のみならず、例えば、コスト、スピード、執行可能性等さまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務となります。
 したがって、費用のみに着目して事後的に最良でなかったとしても、それのみをもって最良執行義務の違反には必ずしもなりません。
 なお、本方針の内容は、当事務所ホームページ(https://www.wada7772.com)にて掲載するほか、当事務所にお問い合わせいただいたお客様にはその内容をお伝えいたします。

以上
制定日:2013年5月22日
改定日:2021年3月31日

法律相談方針

 当事務所は、お客様本位の相談を行うために、司法書士法および司法書士倫理に基づく当事務所の方針を「法律相談方針」として公表いたします。
 法令規則等の遵守は、当事務所の経営の根幹に位置する理念であり、司法書士の業務の基本でもありますが、本「法律相談方針」はそうした理念のもとに策定される事務所経営の基本方針の一部を構成するものです。
 法律相談は、お客様自身の判断材料を提供するべく、法律家たる司法書士の知識と責任に基づき行われるものです。
 当事務所は、お客様の信頼こそが最大の財産であるとの認識に立ち、お客様が自己の責任に基づいて安心して判断していただけるよう、適切な情報提供と助言に努めてまいります。

適正な法律相談

1.当事務所は、お客様に法律相談を行うにあたっては、お客様の知識、経験、置かれた状況、法律相談の目的及び財産の状況等を総合的に加味したうえで、適切な法的手続きのアドバイスに努めます。
2.当事務所は、お客様に法律相談を行うにあたっては、法的根拠を示し、内容に関して重要な事項を正しくご理解いただくために、十分な説明を行うよう努めます。
        • 3.当事務所は、お客様に法律相談を行うにあたっては、法律相談の結果、判断を行うのはお客様自身であることを認識し、当事務所の考えを押し付けないように努めます。
4.当事務所は、お客様に法律相談を行うにあたっては、司法書士の業務として定められた範囲内で法律相談を行うものとし、お客様の相談内容が司法書士の業務範囲を超える内容であると判断したときは、他の専門家(弁護士、税理士、土地家屋調査士、社会保険労務士など)に相談するべきである旨を告げ、その法律相談を終了します。
5.当事務所は、電話や訪問による法律相談につきましては、お客様のご依頼によるものとし、お客様にご迷惑となる時間帯や場所では行いません 。

法律相談の適正の確保

1.当事務所は、適切な法律相談が行われるよう、役職員に対し十分な研修を行います。また、当事務所の役職員は、個々においても知識の習得、研鑽に常に努めます。
2.当社は、司法書士法及び関係法令諸規則の遵守·徹底を確保するため事務所内の体制の整備・強化に努めます 。
3.当事務所は、お客様からのお問い合わせには、迅速かつ適切な対応に努めます。
4.当事務所は、お客様からのご意見・ご要望を真摯に受け止め、いつでもご意見・ご要望を承る姿勢の保持に努めます 。

以上
制定日:2013年5月22日
改定日:2021年3月30日

司法書士行為規範

司法書士の使命は、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することにある。
その使命を自覚し、自らの行動を規律する規範を明らかにするため、司法書士行為規範を制定する。
我々は、これを実践し、社会の信頼と期待に応えることをここに宣言する。


第1章 基本倫理


(使命の自覚)
第1条 司法書士は、使命を自覚し、その達成に努める。
(基本姿勢)
第2条 司法書士は、その職責を自覚し、自由かつ独立の立場を保持して、司法書士としての良心に従い行動する。
(信義誠実)
第3条 司法書士は、信義に基づき、公正かつ誠実に職務を行う。
(品位の保持)
第4条 司法書士は、常に、人格の陶冶を図り、教養を高め、司法書士としての品位を保持する。
(法令等の精通)
第5条 司法書士は、法令及び実務に精通する。
(資質の向上)
第6条 司法書士は、自ら研鑚するとともに、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会(以下「司法書士会等」という。)が実施する研修に参加し、資質の向上に努める。
(自治の維持及び発展)
第7条 司法書士は、司法書士自治の維持及び発展に努める。
(法制度への寄与)
第8条 司法書士は、法制度が国民に信頼され、国民が利用しやすいものとなるようにその改善及び発展に寄与する。
(公益的活動)
第9条 司法書士は、その使命にふさわしい公益的な活動に取り組み、実践するように努める。


第2章 一般的な規律


(意思の尊重)
第10条 司法書士は、依頼者の意思を尊重し、依頼の趣旨に沿って、その業務を行わなければならない。
2 司法書士は、意思の表明に困難を抱える依頼者に対して、適切な方法を用いて意思の表明を支援するように努めなければならない。
(秘密保持等の義務)
第11条 司法書士は、業務上知り得た秘密を保持しなければならず、又は利用してはならない。司法書士でなくなった後も同様とする。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合は、その必要の限度において、秘密を開示することができる。
(1)本人の承諾がある場合
(2)法令に基づく場合
(3)司法書士が自己の権利を防御する必要がある場合
(4)前3号に掲げる場合のほか、正当な事由がある場合
(不当誘致等)
第12条 司法書士は、不当な方法によって事件の依頼を誘致し、又は事件を誘発してはならない。
2 司法書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、いかなる名目によるかを問わず、その対価を支払ってはならない。
3 司法書士は、依頼者の紹介をしたことについて、いかなる名目によるかを問わず、その対価を受け取ってはならない。
(非司法書士との提携禁止等)
第13条 司法書士は、司法書士法その他の法令の規定に違反して業務を行う者と提携して業務を行ってはならず、またこれらの者から事件のあっせんを受けてはならない。
2 司法書士は、第三者に自己の名義で司法書士業務を行わせてはならない。
3 司法書士は、正当な事由がある場合を除き、その業務に関する報酬を司法書士又は司法書士法人でない者との間で分配してはならない。
(違法行為の助長等)
第14条 司法書士は、違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。
(品位を損なう事業への関与)
第15条 司法書士は、品位を損なう事業を営み、若しくはこれに加わり、又はこれに自己の名義を使用させてはならない。
(相手方等からの利益授受等)
第16条 司法書士は、取り扱っている事件に関し、相手方又は相手方代理人等から利益の供与若しくは供応を受け、又はこれを要求し、若しくはその約束をしてはならない。
2 司法書士は、取り扱っている事件に関し、相手方又は相手方代理人等に対し、利益の供与若しくは供応をし、又はその約束をしてはならない。
(広告又は宣伝)
第17条 司法書士は、虚偽の事実を含み、又は誤認を生じさせるおそれがある広告又は宣伝をしてはならない。
2 司法書士は、品位又は信用を損なうおそれがある広告又は宣伝をしてはならない。
(記録の作成等)
第18条 司法書士は、受任した事件の概要、金品の授受に関する事項その他重要と考えられる事項に関する記録を作成し、保管しなければならない。
2 司法書士は、前項の記録を保管するに際しては、業務上知り得た秘密及びプライバシーに関する情報が漏洩しないように注意しなければならない。廃棄するに際しても同様とする。
(補助者に対する指導及び監督)
第19条 司法書士は、常に、補助者の指導及び監督を行わなければならない。
2 司法書士は、補助者をしてその業務を包括的に処理させてはならない。
3 司法書士は、補助者に対し、その者が業務上知り得た秘密を漏洩し、又は利用しないように指導及び監督しなければならない。


第3章 依頼者との関係における規律


(依頼の趣旨の実現)
第20条 司法書士は、依頼の趣旨を実現するために、的確な法律判断に基づいて業務を行わなければならない。
(受任の際の説明)
第21条 司法書士は、事件を受任するにあたり、その処理の方法その他依頼の趣旨を実現するために必要な事項について説明しなければならない。
(報酬の明示)
第22条 司法書士は、事件を受任するにあたり、報酬及び費用の金額又はその算定方法を明示し、かつ、十分に説明しなければならない。
2 司法書士は、その報酬については、依頼者の受ける経済的利益、事案の難易、その処理に要した時間及び労力その他の個別具体的事情に照らして、適正かつ妥当なものとしなければならない。
(契約書の作成)
第23条 司法書士は、事件を受任するにあたり、依頼の趣旨並びに報酬及び費用に関する事項を記載した契約書を作成するように努めなければならない。
(事件の処理)
第24条 司法書士は、事件を受任した場合には、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。
2 司法書士は、依頼者に対し、事件の経過及び重要な事項を必要に応じて報告し、事件が終了したときは、その経過及び結果を遅滞なく報告しなければならない。
(公正を保ち得ない事件)
第25条 司法書士は、業務の公正を保ち得ない事由がある事件については、業務を行ってはならない。
(公務等との関係)
第26条 司法書士は、公務員又は法令により公務に従事する者として取り扱った事件については、業務を行ってはならない。
2 司法書士は、仲裁人として取り扱った事件又は裁判外紛争解決手続において手続実施者その他これに準ずる者として関与した事件については、業務を行ってはならない。
(公正を保ち得ないおそれ)
第27条 司法書士は、業務の公正を保ち得ない事由が発生するおそれがある場合には、事件を受任するにあたり、依頼者に対し、その事由の内容及び辞任の可能性があることについて説明しなければならない。
(不正の疑いがある事件)
第28条 司法書士は、依頼の目的又はその手段若しくは方法に不正の疑いがある場合において、合理的な方法により調査を行ってもなおその疑いが払拭できないときは、その事件を受任してはならない。
(特別関係の告知)
第29条 司法書士は、事件の受任に際して、依頼者の相手方と特別の関係があるために、依頼者との信頼関係に影響を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対しその事情を告げなければならない。
(受任後の措置)
第30条 司法書士は、事件を受任した後に前5条に該当する事由があることを知ったときは、依頼者に対し速やかにその事情を告げ、事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
(利益相反の顕在化)
第31条 司法書士は、同一の事件で依頼者が複数ある場合において、その相互間に利益相反が生じたときは、各依頼者に対してその旨を告げ、事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
(他の司法書士の参加)
第32条 司法書士は、受任している事件について、依頼者が他の司法書士又は司法書士法人に、相談又は依頼をしようとするときは、正当な理由なくこれを妨げてはならない。
(受任司法書士間の意見の不一致)
第33条 司法書士は、同一の事件を受任している他の司法書士又は司法書士法人がある場合において、その処理に関して意見の不一致により依頼者に不利益を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対しその事情を説明しなければならない。
(依頼者との信頼関係の喪失)
第34条 司法書士は、受任している事件に関し、依頼者との信頼関係が失われ、かつ、その回復が困難である場合には、辞任する等適切な措置をとらなければならない。(預り書類等の管理)
第35条 司法書士は、受任している事件に関し、依頼者から預かった書類等を、善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
(預り金の管理等)
第36条 司法書士は、受任している事件に関し、依頼者から又は依頼者のために金員を受領した場合には、自己の金員と区別し、預り金であることを明確にして管理しなければならない。
2 司法書士は、受任している事件に関し、依頼者のために金品を受領した場合には、速やかにその事実を依頼者に報告しなければならない。
(受任の継続不能)
第37条 司法書士は、受任している事件の処理を継続することができなくなった場合には、依頼者が損害を被ることがないように、事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
(係争目的物の譲受け)
第38条 司法書士は、係争事件の目的物を譲り受けてはならない。
(依頼者との金銭貸借等)
第39条 司法書士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について保証をさせ、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。
(賠償保険)
第40条 司法書士は、依頼者を保護するために、業務上の責任について賠償責任保険に加入するように努めなければならない。
(事件の終了後の措置)
第41条 司法書士は、受任した事件が終了したときは、遅滞なく、金銭の精算、物品の引渡し及び預かった書類等の返還をしなければならない。
(依頼者との紛議等)
第42条 司法書士は、依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め、紛議が生じた場合には、協議により円満に解決するように努めなければならない。


第4章 不動産登記業務に関する規律


(基本姿勢)
第43条 司法書士は、不動産登記業務を行うにあたり、登記の原因となる事実又は法律行為について調査及び確認をすることにより登記の真正を担保し、もって紛争の発生を予防する。
(実体上の権利関係の把握等)
第44条 司法書士は、不動産登記業務を受任した場合には、依頼者及びその代理人等が本人であること及びその意思の確認並びに目的物の確認等を通じて、実体上の権利関係を的確に把握しなければならない。
2 司法書士は、前項の確認を行った旨の記録を作成し、保管しなければならない。
(公平の確保)
第45条 司法書士は、不動産登記業務を受任した場合には、当事者間の情報の質及び量の格差に配慮するなどして、当事者間の公平を確保するように努めなければならない。
(登記手続の中止又は登記申請の取下げ)
第46条 司法書士は、当事者の一部から、不動産登記手続の中止又は不動産登記申請の取下げの申出を受けた場合においては、他の当事者の利益が害されることのないように当事者全員の意思を確認し、適切な措置をとらなければならない。
(補助者による立会の禁止)
第47条 司法書士は、不動産取引における立会を、補助者に行わせてはならない。
(複数の代理人が関与する登記手続)
第48条 司法書士は、複数の代理人が関与する不動産登記業務を受任した場合には、依頼者の依頼の趣旨を実現するために必要な範囲において他の代理人と連携するように努めなければならない。


第5章 商業・法人登記業務に関する規律


(基本姿勢)
第49条 司法書士は、商業・法人登記業務を行うにあたり、登記原因及び添付書面等の調査及び確認をすることにより真正な登記の実現に努め、もって取引の安全と商業・法人登記制度の信頼の確保に寄与する。
(実体関係の把握)
第50条 司法書士は、商業・法人登記業務を受任した場合には、会社若しくは法人の代表者又はこれに代わり依頼の任に当たっている者(以下「代表者等」という。)が本人であること、依頼の内容及び意思の確認をするとともに、議事録等の関係書類の確認をするなどして、実体関係を把握するように努めなければならない。
2 司法書士は、議事録等の書類作成を受任した場合には、代表者等にその事実及び経過等を確認して作成しなければならない。
(法令遵守の助言)
第51条 司法書士は、商業・法人登記業務を受任し、又はその相談に応じる場合には、会社及び法人の社会的責任の重要性を踏まえ、依頼者に対して、法令を遵守するように助言しなければならない。


第6章 供託業務に関する規律


(基本姿勢)
第52条 司法書士は、供託業務を行うにあたり、実体上の権利関係を的確に把握し、登記手続、裁判手続その他の関連する手続を踏まえて供託の目的を達成させる。
(供託が関係する相談)
第53条 司法書士は、供託が関係する相談に応じる場合には、相談者が置かれている状況を的確に把握したうえで、供託手続の役割、内容及び方法について説明及び助言をしなければならない。


第7章 裁判業務等に関する規律


(基本姿勢)
第54条 司法書士は、裁判の公正及び適正手続の実現に寄与する。
(紛争解決における司法書士の役割)
第55条 司法書士は、依頼者が抱える紛争について、正確な知識及び情報を提供し、最善の方法をもって業務を遂行することにより、依頼者の正当な権利の擁護及びその利益の実現に努めなければならない。
(裁判書類作成関係業務)
第56条 司法書士は、裁判書類作成関係業務を受任した場合には、依頼者との意思の疎通を十分に図り、事案の全容を把握するように努め、依頼者にその解決方法を説明するなどして、依頼者自らが訴訟等を追行できるように支援しなければならない。
(簡裁訴訟代理等関係業務)
第57条 司法書士は、簡裁訴訟代理等関係業務を受任した場合には、代理人としての責務に基づき、依頼者の自己決定権を尊重して、業務を行わなければならない。
(業務を行い得ない事件)
第58条 司法書士は、裁判業務(裁判書類作成関係業務及び簡裁訴訟代理等関係業務をいう。以下同じ。)に係る次の事件については、裁判業務を行ってはならない。ただし、第4号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
(1)相手方の依頼を受けて行った事件又は相手方から受任している事件
(2)相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
(3)相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
(4)受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
(5)受任している事件の依頼者を相手方とする他の事件
(6)その他受任している事件の依頼者と利益相反する事件
2 司法書士は、かつて司法書士法人の社員等(社員又は使用人司法書士をいう。以下同じ。)であった場合は、裁判業務に係る次の事件(自ら関与したものに限る。)については、裁判業務を行ってはならない。
(1)社員等として業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が相手方の依頼を受けて行った事件
(2)社員等として業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
(3)社員等として業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
(受任の諾否の通知)
第59条 司法書士は、簡裁訴訟代理等関係業務の依頼に対し、その諾否を速やかに通知しなければならない。
(法律扶助制度等の教示)
第60条 司法書士は、依頼者に対し、事案に応じて法律扶助制度又は訴訟救助制度を教示するなどして、依頼者の裁判を受ける権利が実現されるように努めなければならない。
(見込みがない事件の受任の禁止)
第61条 司法書士は、依頼者が期待するような結果を得る見込みがないことが明らかであるのに、あたかもその見込みがあるかのように装って事件を誘発し、受任してはならない。
(有利な結果の請け合い等の禁止)
第62条 司法書士は、受任した事件について、依頼者に有利な結果を請け合い、又は保証してはならない。
(偽証等のそそのかし等)
第63条 司法書士は、偽証又は虚偽の陳述をそそのかしてはならない。
2 司法書士は、虚偽と知りながらその証拠を提出し、又は提出させてはならない。
(裁判手続の遅延)
第64条 司法書士は、不当な目的のために又は職務上の怠慢により、裁判手続を遅延させてはならない。
(相手方本人との直接交渉等)
第65条 司法書士は、受任している事件に関し、相手方に法令上の資格がある代理人がいる場合は、特別の事情がない限り、その代理人の了承を得ないで相手方本人と直接交渉してはならない。
2 司法書士は、受任している事件に関し、相手方に法令上の資格がある代理人がいない場合において、相手方が代理人の役割について誤解しているときは、その誤解に乗じて相手方を不当に不利益に陥れてはならない。


第8章 司法書士法第3条に定めるその他の業務に関する規律


(審査請求手続)
第66条 司法書士は、審査請求手続を受任した場合には、審査請求の意義を依頼者に説明し、依頼者の権利が実現されるように努めなければならない。
(国籍に関する書類の作成)
第67条 司法書士は、国籍に関する書類の作成を受任した場合には、その要件等を依頼者に説明及び助言をし、依頼者や関係者のプライバシー等の人権に配慮して、業務を行うように努めなければならない。
(検察庁に提出する書類の作成)
第68条 司法書士は、検察庁に提出する書類の作成を受任した場合には、関係者の人権に配慮して、正義の実現に努めなければならない。


第9章 成年後見業務等に関する規律


(基本姿勢)
第69条 司法書士は、成年後見業務等を行う場合には、本人の意思を尊重し、その心身の状態並びに生活及び財産の状況(以下「心身の状態等」という。)に配慮する。
(法定後見等に関する相談)
第70条 司法書士は、法定後見又は任意後見に関する相談に応じる場合には、本人のほか、親族、福祉、医療及び地域の関係者等の支援者(以下「支援者」という。)から、その意見、本人の心身の状態等を聴取するなどしたうえで、適切な助言をしなければならない。
(後見等開始申立書類の作成)
第71条 司法書士は、後見等開始申立書類を作成する場合には、本人、申立人及び支援者の意見を聴取するなどしたうえで、本人の権利を擁護し、心身の状態等に適した内容になるよう配慮しなければならない。
(任意後見契約の締結等)
第72条 司法書士は、自己を受任者とする任意後見契約の締結を依頼された場合には、見守り契約等の任意後見契約に関連する契約の必要性を検討したうえで、本人の権利を擁護し、心身の状態等に適した契約になるように配慮しなければならない。
2 司法書士は、前項の任意後見契約及びこれに関連する契約を締結する場合には、本人の心身の状態等に配慮し、本人が理解できるように適切な方法及び表現を用いて契約内容を説明しなければならない。
3 司法書士は、第1項の任意後見契約を締結した場合において、精神上の障害により本人の事理弁識能力が不十分になったときは、本人及び支援者の意見を聴取するなどしたうえで、任意後見契約の効力を生じさせるなど、遅滞なく適切な措置をとらなければならない。
(支援者との連携)
第73条 司法書士は、成年後見人等に就任した場合には、支援者と連携を図るように努めなければならない。
2 前項の場合において、司法書士は、本人のプライバシーに配慮しなければならない。


第10章 財産管理業務に関する規律


(基本姿勢)
第74条 司法書士は、他人の財産を管理する場合には、自己の財産又は管理する他者の財産と判然区別することが可能な方法で各別に保管するなど、善良な管理者の注意をもって行う。
(委任による財産管理)
第75条 司法書士は、委任により他人の財産を管理する場合には、委任者が適切な手続を選択することができるように説明しなければならない。
2 司法書士は、前項の場合には、委任者と利益相反する行為をしてはならない。
3 司法書士は、財産管理の状況について、定期的に委任者に報告しなければならない。委任者から報告を求められたときも、同様とする。
(法律の定めによる財産管理)
第76条 司法書士は、法律の定めにより他人の財産を管理する者に選任された場合には、その目的を達するため誠実に財産管理を行わなければならない。
(遺言執行)
第77条 司法書士は、遺言執行者に就任した場合には、遺言の内容を実現するため直ちに遺言執行事務に着手し、善良な管理者の注意をもってその事務を遂行しなければならない。
2 司法書士は、遺言執行者に就任している場合において、遺言者の相続財産(遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産に限る。)に係る事件であって、相続人又は受遺者の依頼により、他の相続人又は受遺者を相手方とする裁判業務を行ってはならない。遺言執行者でなくなった後も、同様とする。
(遺産承継業務)
第78条 司法書士は、遺産承継業務を受任する場合には、委任契約書を作成するなどして、依頼者に対し、受任事務の内容及び範囲を明らかにしなければならない。
2 司法書士は、前項の場合においては、事案に応じて、依頼者に対し、業務の中断又は終了に関する事由を明らかにしなければならない。
(事件の終了)
第79条 司法書士は、他人の財産の管理を終了したときは、遅滞なく、その管理する財産を委任者など受領権限がある者に引き渡さなければならない。


第11章 民事信託支援業務に関する規律


(基本姿勢)
第80条 司法書士は、民事信託支援業務を受任したときは、信託目的の達成に向けて、委託者、受託者、受益者その他信託関係人の知識、経験、財産の状況等に配慮して業務を行う。
(適正な民事信託の支援)
第81条 司法書士は、民事信託の設定を支援するにあたっては、委託者の意思を尊重し、かつ、信託法上の権利及び義務に関する正確な情報を提供するように努めなければならない。
2 司法書士は、民事信託の設定後においては、受託者の義務が適正に履行され、かつ、受益者の利益が図られるよう、必要に応じて、継続的な支援に努めなければならない。


第12章 共同事務所における規律


(遵守のための措置)
第82条 複数の司法書士が事務所を共にする場合(以下「共同事務所」という。)において、その共同事務所を監督する立場にある司法書士があるときは、当該司法書士は、共同事務所に所属する全ての司法書士(以下「所属司法書士」という。)が、法令、会則等を遵守するために必要な措置をとらなければならない。
(秘密保持の義務)
第83条 所属司法書士は、正当な事由がある場合を除き、他の所属司法書士が業務上知り得た秘密を保持しなければならず、又は利用してはならない。所属司法書士でなくなった後も同様とする。
(共同事務所における業務を行い得ない事件)
第84条 所属司法書士は、他の所属司法書士(所属司法書士であった者を含む。)が業務を行い得ない事件については、業務を行ってはならない。ただし、業務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。
(所属司法書士であった者が裁判業務を行い得ない事件)
第85条 所属司法書士であった司法書士は、所属司法書士であった期間内に、他の所属司法書士が取り扱った裁判業務に係る事件で、自らこれに関与していた事件については、その事件の相手方の依頼を受けて裁判業務を行ってはならない。
(受任後の措置)
第86条 所属司法書士は、事件を受任した後に第84条本文に該当する事由があることを知ったときは、依頼者に対し、速やかにその事情を告げ、事案に応じて適切な措置をとらなければならない。
(業務を行い得ない事件の受任防止)
第87条 所属司法書士は、共同事務所として、当事者情報の確認その他必要な措置をとるなどをして、業務を行い得ない事件の受任を防止するように努めなければならない。


第13章 司法書士法人における規律


(遵守のための措置)
第88条 司法書士法人は、その社員等が法令、会則等を遵守するための必要な措置をとらなければならない。
(秘密保持の義務)
第89条 社員等は、正当な事由がある場合を除き、司法書士法人、他の社員等が業務上知り得た秘密を保持しなければならず、又は利用してはならない。社員等でなくなった後も同様とする。
(司法書士法人が業務を行い得ない事件)
第90条 司法書士法人は、裁判業務に係る次の事件については、裁判業務を行ってはならない。ただし、第4号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合はこの限りでない。
(1)相手方の依頼を受けて行った事件又は受任している事件
(2)相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
(3)相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
(4)受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
(5)受任している事件の依頼者を相手方とする他の事件
(6)その他受任している事件の依頼者と利益相反する事件
(司法書士法人が社員等の関係で業務を行い得ない事件)
第91条 司法書士法人は、裁判業務に係る次の事件については裁判業務を行ってはならない。
(1)社員等が相手方から受任している事件
(2)第25条、第26条若しくは第58条第1項第1号から第6号まで又は第92条第2項第1号から第3号までに掲げる事件として社員の半数以上(簡裁訴訟代理等関係業務に係る事件については特定社員の半数以上)の者が裁判業務を行ってはならないこととされる事件
(社員等が司法書士法人との関係で業務を行い得ない事件)
第92条 社員等は、裁判業務に係る次の事件については、裁判業務を行ってはならない。ただし、第2号に掲げる事件については、司法書士法人が受任している事件の依頼者の同意がある場合は、この限りでない。
(1)司法書士法人が相手方から受任している事件
(2)司法書士法人が受任している事件の相手方の依頼による他の事件
2 社員等は、かつて別の司法書士法人(以下「その司法書士法人」という。)の社員等であった場合は、裁判業務に係る次の事件(自ら関与したものに限る。)については、裁判業務を行ってはならない。
(1)その司法書士法人の社員等として業務に従事していた期間内に、その司法書士法人が相手方の依頼を受けて行った事件
(2)その司法書士法人の社員等として業務に従事していた期間内に、その司法書士法人が相手方の協議を受けて賛助し、又は依頼を承諾した事件
(3)その司法書士法人の社員等として業務に従事していた期間内に、その司法書士法人が相手方の協議を受けた事件で、協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
(社員等が他の社員等との関係で業務を行い得ない事件)
第93条 社員等は、他の社員等が業務を行い得ない事件については、業務を行ってはならない。ただし、業務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。
(受任後の措置)
第94条 司法書士法人は、事件を受任した後に、第90条又は第91条の規定に該当する事由があることを知ったときは、依頼者に対し、速やかにその事情を告げ、事案に応じて適切な措置をとらなければならない。
2 社員等は、事件を受任した後に、前2条の規定に該当する事由があることを知ったときは、依頼者に対し、速やかにその事情を告げ、事案に応じて適切な措置をとらなければならない。
(業務を行い得ない事件の受任防止)
第95条 司法書士法人は、業務を行い得ない事件の受任を防止するために、当事者情報の確認その他必要な措置をとるように努めなければならない。
(準用)
第96条 第1章から第11章まで(第4条、第5条、第6条、第11条第1項、第26条第2項及び第58条を除く。)、第14章及び第15章の規定は、司法書士法人について準用する。


第14章 他の司法書士との関係における規律


(名誉の尊重)
第97条 司法書士は、他の司法書士(司法書士法人を含む。以下、本章において同じ。)との関係において、相互に名誉と信義を重んじる。
(他の事件への介入)
第98条 司法書士は、他の司法書士が受任している事件に関して、不当に介入してはならない。
(相互協力)
第99条 司法書士は、他の司法書士と共同して業務を行う場合には、依頼者とそれぞれの司法書士との間の委任関係を明確にして、依頼の趣旨の実現に向け、相互に協力しなければならない。
2 司法書士は、事件処理のために復代理人を選任する場合には、依頼の趣旨の実現に向け、復代理人と十分な意思疎通を図らなければならない。


第15章 司法書士会等との関係における規律


(規律の遵守)
第100条 司法書士は、自治の精神に基づき、司法書士会等が定める規律を遵守する。
(組織運営への協力)
第101条 司法書士は、司法書士会等の組織運営に積極的に協力する。
(事業への参加)
第102条 司法書士は、司法書士会等が行う事業に積極的に参加する。また、司法書士会等から委嘱された事項を誠実に遂行する。

附則(令和4年6月23日・24日第87回定時総会承認)
この規範は、令和5年4月1日から施行する。

意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインにおける7つの原則

第1原則

 全ての人は意思決定能力があることが推定される。

第2原則

 本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさなければ、代行決定に移ってはならない。

第3原則

 一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能力がないと判断してはならない。

第4原則

 意思決定支援が尽くされても、どうしても本人の意思決定や意思確認が困難な場合には、代行決定に移行するが、その場合であっても、後見人等は、まずは、明確な根拠に基づき合理的に推定される本人の意思(推定意思)に基づき行動することを基本とする。

第5原則

 ①本人の意思推定すら困難な場合、又は②本人により表明された意思等が本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる場合には、後見人等は本人の信条・価値観・選好を最大限尊重した、本人にとっての最善の利益に基づく方針を採らなければならない。

第6原則

 本人にとっての最善の利益に基づく代行決定は、法的保護の観点からこれ以上意思決定を先延ばしにできず、かつ、他に採ることのできる手段がない場合に限り、必要最小限度の範囲で行われなければならない。
第7原則
 一度代行決定が行われた場合であっても、次の意思決定の場面では、第1原則に戻り、意思決定能力の推定から始めなければならない。
以上

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